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はじめに
最近ニュースなどで「ウッドショック」という言葉を耳にしてはいないでしょうか?
名前から何となく木材に関することというのは予想がつくかもしれません。
まさにその通りで、いま世界的な供給不足によって木材の値段が上がっているんです。
今回はリフォーム専門家の立場からウッドショックについて詳しく解説していきます。
是非最後まで読んでみて下さい!
ウッドショックはなぜ起きたか?
まず「ウッドショックはなぜ起きたか?」についてですが、理由は大きく分けて3つあります。
新型コロナウイルス
まずはなんと言っても新型コロナウイルスの影響です。
新型コロナウイルスの影響で木材を加工する工場の稼働率が大きく下がってしまい、それに加えてインターネットショッピング需要が急激に増えたことにより、貨物に使うコンテナが不足してしまい日本に木材が届きにくくなってしまいました。
そして大半が輸入の木材に頼っていた日本は国産の木材でカバーすることができずにウッドショックに直面しているということです。
アメリカの住宅需要の伸び
そしてこれも新型コロナウイルスに関係するのですが、今アメリカではコロナ禍でリモートワークが増えたことにより自宅のリフォームや新築住宅の需要が急激に伸びています。
それにより、木材の需要が増えてさらに日本に届きにくい状況に陥っています。
ロシアのウクライナ侵攻
それに追い打ちをかけそうなのがロシアのウクライナ侵攻です。
日本はロシアから多くの木材を輸入しているのですが、欧米と足並みを揃えて経済制裁をしている中でロシア政府がそれに対する対抗措置として一部木材を含む200品目以上の輸出を2022年末まで禁止すると発表しています。
(参考:200品目以上の機械製品などを輸出禁止にージェトロ)
また、日本政府も追加制裁として丸太などの一部木材のロシアからの輸入を禁止にしました。
(参考:輸入割当てを受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他貨物の輸入について必要な事項の公表の一部改正ー経済産業省)
今はまだロシア産木材の在庫は不足していないものの、今後ロシアのウクライナ侵攻が長期化し対抗措置が長引くと在庫が不足し、ますます木材が値上がりしてしまう可能性が高いです。
ウッドショックは国産の木材で解決できないか?
日本は国土の7割を森林が占めています。
と思いますよね?
ただ、すぐに国産の木材で解決するのは難しいのが現状です。
ここではその理由を解説します。
林業の体制が整っていない
まず、これまで輸入材を使っていたところに国産材を供給する体制が整っていません。
日本の林業は高齢化が進んで担い手が減り続けているため、輸入材をカバーする量の国産材をすぐに供給するのは難しいのが現状です。
木材の乾燥機の不足
建築に使う木材は、加工した後に乾燥する必要があります。
そうしないと木が縮んだり、変形してしまったりします。
天然乾燥と人工乾燥の2種類がありますが、天然乾燥だと1年以上の時間がかかってしまい、人工乾燥は今までの供給量に合わせた数しか乾燥機が用意されていません。
この乾燥機の不足も理由の1つです。
木を伐採できる量が決められている
日本は補助金の兼ね合いで木を伐採できる量が決められています。
林業をしている業者はこの補助金を活用して事業をしているので、国産材の需要が高まってもある程度までしか供給量を増やせないという状況になっています。
ウッドショック収束の見通しは?
ここまで読んで
と思ったと思います。
結論から言うとウッドショックはいつまで続くのか予想できない状況です。
ウッドショックが起きている原因は、先程解説したように1つではありません。
それらの原因が一気に解決すれば良いですがそれはたぶん難しいでしょう。
そしてまた新たな原因が生まれる可能性もゼロではありません。
残念ながらウッドショックがいつまで続くのかは誰も予想できないのです。
ウッドショックのリフォーム工事への影響
ウッドショックの影響で新築の住宅価格は値上がりしている一方でリフォーム工事は新築ほど木材を使わないためそこまで値上がりはしていないようです。
とはいえ今はリフォーム業者の在庫や企業努力で値上がりが抑えられていても限界が来てしまったら値上げせざるを得ません。
このままウッドショックが長期化するとリフォーム費用の値上げを覚悟しなければいけないかもしれません。
そうなったらできるだけ下地材に木材を使わずに軽量鉄骨を使ったリフォームをするなどの工夫が工事費を安くするポイントになります。
まとめ
今回はウッドショックについて解説しました。
現時点では収束の見通しは立たないため、これからリフォームをするならそれを踏まえて対応していく必要があります。
先程解説したように下地材に木材を使わずに軽量鉄骨を使ったり、お願いするリフォーム業者が在庫を抱えている木材を使ったりするなど、リフォーム費用を抑えるための対応を考えておきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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